オンボーディング

入社オンボーディングのチェックリスト|入社前〜90日の項目と管理表の作り方

入社の受け入れで抜け漏れが起きるのは、人事・情シス・現場で担当が分かれる隙間です。この記事では、入社前・初日・初週・1か月・90日の時期別チェックリストを担当と期限の目安つきで掲載し、入社が続く会社でこれを表計算ではなく管理表(データベース)にする理由、入社者と担当者を従業員名簿から選ぶ列の設計、人事・情シス・上長それぞれのビュー、入社1か月アンケートを公開フォームで回収する方法を整理します。

オンボーディングのチェックリストには、何を入れますか?

入社手続きだけでなく、受け入れ準備・初日・初週・1か月・90日までの立ち上げ支援を、担当者と期限つきで入れます。手続きの完了で終わらせず、1on1 と振り返りまで含めるのが要点です。

オンボーディング(入社時の受け入れ)
新しく入った人が早く立ち上がり、定着するように、入社前から入社後数か月にわたって行う受け入れ全体。雇用契約・社会保険などの「入社手続き」はその一部で、ほかにアカウント・端末の準備、オリエンテーション、チーム紹介、OJT・メンター、1on1、目標設定、振り返りを含む。人事・情シス・現場の上長で担当が分かれるため、一覧化と担当・期限の明確化が抜け漏れを防ぐ。

チェックリストが必要になる理由は、担当が分かれることです。雇用契約は人事、アカウントと端末は情シス、初日の予定とメンターは現場の上長。それぞれが自分の分をこなしていても、「誰も初日の座席を用意していなかった」のような隙間が生まれます。一覧にして、項目ごとに担当者と期限を置くと、隙間が見えるようになります。

もう一つの理由は、入社が続くことです。20〜300人の成長企業では、月に1〜数名の入社が続きます。毎回ゼロから思い出すのではなく、同じ型をコピーして担当と期限を埋めるだけにしておくと、人事の負荷が入社人数に比例して増えません。

時期別のチェックリスト(入社前〜90日)

入社前・初日・初週・1か月・90日の5つの時期に分け、それぞれ人事・情シス・上長の分担を明示します。下の表をそのまま管理表の行にできます。

時期項目主な担当期限の目安
入社前雇用契約書・労働条件通知書の締結人事入社2週間前
社会保険・雇用保険・給与口座・マイナンバーなど手続き書類の案内と回収人事入社1週間前〜初日
PC・アカウント(メール・チャット・業務ツール)・入館証の手配情シス入社10営業日前に依頼、3日前に完了
初週の予定表とメンター(OJT 担当)の決定上長入社1週間前
受け入れ部署への周知・紹介文の用意上長入社3日前
初日の案内(時間・場所・持ち物)の送付人事入社3日前
初日手続き書類の回収・確認、貸与物の受け渡し人事当日
会社概要・就業ルール・経費精算などの説明(社内Wikiのページを案内)人事当日
PC の初期設定、セキュリティの基本説明情シス当日
チーム紹介、初週の予定の共有、メンターとの顔合わせ上長当日
初週業務の全体像と最初のタスクの説明上長・メンター2日目〜
1on1 の初回(不安・質問の確認)上長初週の終わり
人事面談(手続き漏れ・困りごとの確認)人事初週の終わり
1か月入社1か月アンケート(フォームで回収)人事入社30日
OJT の進み具合の確認と調整、本人への振り返り上長入社30日
目標設定(試用期間中の到達点)上長入社30日
90日振り返り面談(本人・上長・人事)人事・上長入社90日
試用期間終了に向けた確認と本採用の手続き人事試用期間終了前
オンボーディング自体の振り返り(次の入社者に向けた改善)人事入社90日

項目は会社によって増減します。大切なのは、時期・項目・担当・期限の4つが揃っていることと、「初日で終わり」にしないことです。早期の離職は入社後の数か月で決まると言われますが、1か月と90日の面談を型に入れておけば、困りごとに早めに気づけます。

チェックリストを表計算ではなく管理表にするのはなぜですか?

入社者ごとにシートをコピーする運用は、担当者の名前が転記になり、進捗が人事にしか見えず、手順書が別の場所にあるからです。管理表にすると、担当者が名簿から選べ、各自が自分の分だけを見られ、行から手順にリンクできます。

表計算のチェックリストは、最初の1〜2名では問題なく回ります。崩れるのは、入社が続いて「田中さん用」「鈴木さん用」とシートが増えたときです。情シスは自分の担当行を探すためにシートを渡り歩き、上長には共有されず、人事が進捗を口頭で確認する仕事が増えます。担当者の名前は手打ちなので、担当の情シスが異動しても表は変わりません。

管理表(データベース)にすると、次のことが変わります。

  • 担当者を名簿から選ぶ: 転記が無く、所属部署も自動で埋まります。担当者が異動・退職すれば、その人が担当の行を一覧で洗い出せます
  • 自分の分だけを見る: 「担当が自分」で絞り込んだビューを情シス・上長がそれぞれ持てば、人事が進捗を聞き回らなくて済みます
  • 期限をカレンダーで見る: 同じデータをカレンダー表示にすれば、今週締切の準備が並びます
  • 行から手順にリンクする: 「アカウント発行」の行から発行手順のページに飛べます。新しく担当になった人が手順を探さずに済みます
  • 届いたら知らせる: 状態が「完了」になったら人事に通知、のような自動化を付ければ、確認の往復が減ります

データベースとリレーションの意味は 用語集 にまとめています。「書く場所」と「仕事をする場所」を1つにすると Wiki が続く、という考え方は ナレッジ共有が定着しない理由 で扱っています。

管理表の列は、どう設計しますか?

入社者・項目・時期・担当者・期限・状態・手順リンク・メモの8列が基本です。入社者と担当者は従業員(名簿)参照、時期と状態は選択肢、期限は日付にします。

列型理由・使い方
入社者従業員(名簿参照)入社者を名簿に登録してから行を作る。所属部署が自動で埋まり、あとで従業員台帳から辿れる
項目題名(テキスト)「PC・アカウントの手配」など1行1件。行を開くと本文にメモや添付を置ける
時期選択肢入社前/初日/初週/1か月/90日。ボード表示で時期ごとに並ぶ
担当者従業員(名簿参照)人事・情シス・上長を名簿から選ぶ。「担当が自分」のビューを各自が持つ
期限日付入社日からの目安を基に入れる。カレンダー表示で今週の締切が並ぶ
状態ステータス未着手/進行中/完了/保留の4つに絞る。増やすと更新されなくなる
手順リンク(ページへの参照)その項目の手順書ページへのリンク。新しい担当者が迷わない
メモテキスト/本文個別の事情(リモート入社、時短など)。本文に書けば検索対象になる

入社者ごとに行を複製する運用が楽になるように、時期別の項目一式を「テンプレート」として持っておきます。新しい入社者が決まったら、テンプレートから項目一式を作り、入社者と期限を埋めるだけです。「入社者」を別のデータベース(入社者一覧)にして、各項目の行からリレーションでつなげば、入社者ごとの完了率をロールアップで見ることもできます。

健康情報や家庭の事情など、扱いに注意が要る内容はこの管理表に書きません。人事だけが読めるページに分けて置き、必要なら管理表の行からリンクだけします。共有範囲の決め方は 社内Wikiの権限設計 を参照してください。

人事・情シス・現場の分担は、どう見せますか?

同じ管理表を、担当者ごと・時期ごとのビューで見せます。人事は全体、情シスは「担当が情シス」の行、上長は自分のチームの入社者の行だけを見る形にします。

分担が崩れる原因は、全員が同じ長い一覧を見ることです。情シスにとって「初日のチーム紹介」は関係がなく、上長にとって「社会保険の手続き」は関係がありません。関係のない行が多いと、一覧は開かれなくなります。同じデータから、見る人に合わせたビューを作るのが解決策です。

  • 人事: 全項目のテーブル。時期でグループ化し、期限が過ぎて未完了の行を上に
  • 情シス: 「担当者の部署が情シス」で絞り込んだテーブル。期限順
  • 上長: 「入社者の所属が自分の部署」で絞り込んだボード(時期ごと)
  • 本人: 入社者本人に見せる項目だけを別ページにし、初日にリンクを渡す(提出書類、初週の予定、手順書の場所)

共有範囲は、管理表そのものを人事・情シス・各部署の上長に開き、本人向けは別ページにして本人だけに共有します。部署単位の共有が名簿に追従するツールなら、上長が変わっても設定を直す必要がありません。

入社1か月アンケートは、どう回収しますか?

管理表から公開フォームを作り、回答を行としてそのまま受け取ります。フォームツールで集めて表計算に転記する往復を無くし、回答が届いたら人事に通知します。

1か月アンケートの目的は、「困りごとに早めに気づく」ことです。「業務の説明は十分だったか」「相談できる相手はいるか」「入社前の期待とのずれはあるか」の3問程度で十分で、自由記述を1つ添えます。回答は本人と人事・上長だけが読める前提にし、その前提を質問の冒頭に書きます。

回収は、管理表の行として届く公開フォームが向いています。回答者はリンクを開くだけで、ログインは要りません。届いた回答の行に人事が担当を割り当て、フォロー面談が必要なら状態を「面談予定」にして上長に通知する、という流れを同じ表の中で続けられます。公開フォームの意味は 用語集 にまとめています。

アンケートの結果は、オンボーディング自体の改善に使います。「情シスの手配が初日に間に合わなかった」が続くなら、依頼の期限を前に倒す。「手順書の場所が分からなかった」なら、初日の案内にリンクを足す。90日の振り返りで、次の入社者に向けてチェックリストを直します。

ChordOne Note で入社オンボーディングの管理表を作ると?

入社者・担当者の列に従業員名簿を参照し、時期ごとのボードと期限のカレンダーで見せ、1か月アンケートは公開フォームで回収し、完了や回答の到着をアプリ内・Slack で通知します。従業員台帳と同じ基盤なので、入社者を名簿に登録すれば管理表からそのまま選べます。

ChordOne Note では、業務テンプレートの「プロジェクト管理」から、タスク・担当・期限・状態の列とボード/タイムライン表示が揃った状態で始め、「入社者」(従業員参照)と「時期」(選択肢)の列を足せば、この記事の管理表になります。列の種類を「従業員」にすると、セルをクリックして名簿から選べ、部署も自動で埋まります。担当者が退職すると打ち消し線が付き、引き継ぎ漏れに気づけます。

ビューは、テーブル・ボード・カレンダー・タイムラインを同じデータで切り替えられます。「担当が自分」の絞り込みは自分用にすぐ残り、他の人の既定にしたいときだけ「全員に保存」を押します。行は横のパネルでページとして開け、手順書のページへは本文でリンクします。時期別の項目一式は、データベースの行テンプレートとして登録しておけば、「新規」の横の矢印から選んで作れます。

1か月アンケートは、回答用のデータベースから公開フォームを作り、リンクを本人に送ります。回答は行として届き、「新しい行が作成されたとき、人事担当に Slack で通知」の オートメーション を付ければ、届いたことを見逃しません。実行結果は「正常に実行」「確認が必要」で確認できます。管理表の共有は人事・情シス・上長の部署単位で指定し、名簿の異動に追従します。本人向けページは本人だけに共有でき、管理者であっても非公開ページの本文は読めません。

従業員台帳と組織図は常に無料で、ノートは従業員20名まで無料、21名以上は月200円/人です。人事管理や評価など ChordOne の他の機能と同じアカウント・同じデータで動くので、入社者の情報を二度入力する必要がありません。機能の詳細は 機能ページ、始め方は 導入の流れ をご覧ください。

よくある質問

チェックリストの項目は何個くらいが適切ですか?

時期ごとに5〜10項目、全体で25〜40項目が目安です。多すぎると更新されません。まず自社で過去に漏れた項目から入れ、90日の振り返りで足し引きします。

入社者本人にもチェックリストを見せるべきですか?

本人が動く項目(提出書類、初週の予定、手順書の場所)は別ページにして本人に共有します。人事・情シス側の手配状況まで全部見せる必要はありません。

中途と新卒で分けるべきですか?

時期と分担の型は共通で、項目の中身だけが変わります。同じ管理表で「区分」の列を持たせ、テンプレートを中途用・新卒用の2つ用意する形が管理しやすいです。